オススメ映画2000年代

ちゃんへん.の独断と偏見による2000年代オススメ映画。

※2015年9月1日よりHPをリニューアルし、映画ランキングも順次再アップしています。

【リトル・ダンサー】

僕の中で2000年代不動の一位。正直、この作品に関しては感想は書きたくないのです。この作品の感動を文字に起こすことなんて僕には到底不可能で、仮に頑張って文字にしたところで、僕が想うこの作品の素晴らしさを表現することはできない。とにかく、僕はこの作品を鑑賞して本当に色々な感情になった。たくさん泣いたし、たくさん笑った。一つ一つの言葉と行動、そして表情に重みがある。もしあなたが元気がなくて、何となく気が向いたら、この作品を心からオススメ致します。

【シティ・オブ・ゴッド】

日本みたいに生暖かい平和な現実とは全く反対の世界で生きる少年たち。こんな現実が世界のどこかに存在することを納得させるくらいの説得力と破壊力がこの作品にはあるのだ。愛を知らない子供たちが、当たり前の様に銃を持ち、また当たり前の様に人を殺す。人を人と思わない殺人というのは、やはり戦争と同じなんや。これはフィクションのようなノンフィクションである。しかし、家族愛や友情が時折見え隠れする瞬間もあり、そういう意味では全く救いのない世界でもないのだ。

【ホテル・ルワンダ】

この作品はできるだけ多くの人に観てほしいと思う一本。強く言えば観るべき作品だと言いたい。決して楽しい映画ではないが、ほんまに素晴らしい映画や。この作品を空調の効いた環境で観て、国連等にむかつきながら、この事件に無関心でいる人たちに歯痒さを胸に抱き、そしてたくさん死んだルワンダの人たちを哀れむ。でも、いくらそんなことを想ったって、僕たちにできることなんてあの事件に目を向けたり耳を傾けたりくらいなのだろう。まったくおかしい話やで。

【ダークナイト】

大傑作。この作品の誕生は映画界にとって事件とも言える。異様な緊張感、ジョーカーの存在感、クライマックスの連続、アクションの素晴らしさ、そして重圧な音楽。『生と死』『善と悪』が静と動で織り成されれる。特筆するべきは何と言ってもジョーカーを演じたヒース・レジャー最期の怪演。彼の演技は演技を超越しており、鑑賞者にも恐怖を与えるほどの悪のカリスマ性を発揮して魅せた。ジョーカーは人間の弱さの象徴であり、弱さにつけ込まれる存在が敵であることは間違いない。

【善き人のためのソナタ】

全体的には静かな作品なのだが、素晴らしい映画を観たなと心から感じさせてくれる。この作品の舞台は1984年、ベルリンの壁が崩壊する前の東ドイツ。国家保安局のヴィースラー大尉は、ドライマンが反体制である証拠を見つけるために、彼の家に盗聴器を仕掛け監視する。しかし、ドライマンを監視していく中で、ヴィースラー大尉の心は、次第に変化していく。ヴィースラーはなぜ変わってしまったのだろう?悪役が次第に心変わりしていく話に僕は弱いんやなと思った。

【ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ】

自分の価値観がグラついてしまった。初めのうちはヘドウィグの醜さというものを感じていたのだが、話が進むにつれてヘドウィグの様々な葛藤がまるで自分のことのように感じ、ヘドウィグが辛い時は泣いてしまうし、ヘドウィグが楽しいとき時は嬉しくなる。とにかく言葉では表現しきれないほどとても深い話だった。痛々しいまでの愛の物語であり、その愛は圧倒的な純粋さで、その鋭い純粋な愛は鑑賞者にとって心深くに突き刺さり、そして容赦なくえぐられる。

【母なる証明】

これは正に母から子への狂気の愛だ。韓国版のダンサー・イン・ザ・ダークとも言えよう。非常に疲労を感じるが、そのおかげで凄いダークエネルギーに満ちている作品だと実感する。もうどんな言葉を並べても軽く聞こえてしまうかもしれないが、人間の本質ともいうべきか、醜さや愚かさ、そして恐ろしさに焦点を当てた圧倒的なサスペンスドラマだ。この母にしてこの子ありという言葉があるが、この言葉を見事に映像化したような作品だ。衝撃作品です。あとタコ踊り最高。

【トンマッコルへようこそ】

トンマッコルとは何か?もし皆さんが頭に描く戦争のない平和な世界というものがあるならば、まさにこの映画に出てくるトンマッコルが果てしなく近いだろう。いがみ合う者同士は、どんなに時間がかかっても分かり合える日なんてこないのだろうか?僕はそうは思わない。夢や目標は肯定から入らないと可能性は0になってしまう。この作中に出てくるイノシシのシーンが互いの共通の目的となり、それが切っ掛けで心通わせるなら、人間は共通点を探して生きているのだろう。

【グッバイ、レーニン!】

舞台は旧東ドイツ。主人公アレックスの母が心臓発作を起こし、意識不明となる。意識が戻らないままベルリンの壁は崩壊し、母が意識を取り戻した時には、世の中は劇的に変わっている。共産主義者の母のために、アレックスは母に嘘を突き通すのだ。泣きましたわ。類は友を呼ぶと言うが、人を愛することができる人間の元には、やはり愛してくれる人が集まる。僕もアレックスの母のように人を愛せる人間になりたい。自分のためではなく、人のために頑張れる人間になりたい。

【クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦】

前作『オトナ帝国』を超えるアニメはなかなか登場しないだろうと思いきや、そのハードルを見事に超えた。泣きましたわ。号泣。アニメであることを忘れさせる合戦シーンはもちろんだが、何より良かったのは幼なじみである又兵衛と廉姫の恋物語だ。この二人は、互いに好意を抱いているが、身分の壁があるがために距離を保ち、しかし、互いが近づくと恥ずかしげに顔を赤くし、黙り、うつむく。これこそが日本人が日本人たらしめる本来の美しい姿と表情なんや。世界に誇れる傑作です。

【息もできない】

サンフンよ。言葉は汚く、人をすぐ殴り、クソ人間やのに、サンフンの弱さと不器用さが垣間見えて何故か感情移入できる。またヒロインのヨニはヨニで、そんなサンフンと堂々とやり合う肝の座った女子高生に見えて、実は精神的に弱い部分が時に隠しきれていない。そんな二人を愛おしく思う。また、この作品は暴力をふるう側の痛みを伝える映画であるということを一番に言いたい。それを象徴するシーンが漢江での互いが泣くシーンだ。互いの悲しむシーンに胸が締め付けられた。

【ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還】

何度も言うけれどこれも完全版の方が良い。映画の歴史を辿れば100年ほどだろうか。これまで数え切れないほどの作品が誕生したが、傑作といえる作品は数少ない。そんな中、本作品はシリーズを通して映画史に残る作品と言える。近年、未来への希望や仲間との友情だなんて熱い言葉は使い古されたのかもしれないが、この作品は、そう言った言葉の本質的な素晴らしさに素直に受け止めることができる。人類が続く限り、夢や希望を抱き、そして僕たちは現代で旅を続けているのだから。

【ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔】

もう言うまでもない感があるが、前作を上回る超大作。これも完全版の方がより良いのだが、今回の見所は、やはり仲間が3組に分かれたことによるエピソードの幅が大きく広がった点であると思う。しかも、3組に分かれてしまえば話が彼方此方行って混乱しそうだが、この作品に関わった人たちの実力と努力は本物で、ダレることなく最後まで飽きずに鑑賞することができた。本シリーズは名ばかりでなく、名実ともに傑作であり、また永遠に愛される作品であることは間違いないだろう。

【ソウ】

この手の作品には必ずと言っていいほど宣伝文句に『CUBE』や『セブン』を使ってハードルを上げまくり、そして撃沈パターンがもはや恒例となっているのだが、この作品は違った。掟破りにもほどがある。こんな伏線のオンパレードと離れ技を連発する芸当にもびっくりだが、伏線をちゃんと回収しつつ、フィニッシュも沢山ひねるわりにしっかり着地を決めてくる。しかもその着地は置きにいくわけでなく、想像を遥かに超える場所に着地する。予備知識なしで観ていただきたい。

【バタフライ・エフェクト】

今までに観たことがないタイプの作品だ。誰もが一度は思ったことがあるであろう『あの時ああしとけばよかった』という過去への後悔を、この作品では主人公が何度も過去に戻って現在の結果を修正しようとする。この作品には『蝶の小さな羽ばたきでも、地球の裏側では嵐を起こすことがある』というテーマ、そしてメッセージが込められている。人は、大切な何かを失うことで、次の大切な何かを手に入れることができないのだろうか。何から何まで切ない作品だった。

【レクイエム・フォー・ドリーム】

教育や報道で麻薬は絶対にダメと繰り返し言われるより、この100分の作品一本を一度観る方が説得力があるやろうな。何より観終わった後の廃人感ですよ。観ている人間をも薬物中毒にしてしまうが如くの映像の数々。超ド級の鬱映画。とにかくドラッグを使用するかなり凝ったカットをウザいくらいに多用し、これがまた最初はウザいけれども次第に慣れてくる。このカットに慣れてしまったらあなたも最後、この作品のクライマックスでこの作品の真の恐ろしさを痛感するだろう。

【ダンサー・イン・ザ・ダーク】

ラース・フォン・トリアー監督。この変態監督(褒め言葉)、鑑賞する人間の神経を逆撫でする胸くそ悪い監督なのだが、なぜか中毒性がある。この作品は好き嫌いに完全に別れるだろう。悲しい映画はこの世に腐るほどあり、それでも何かしらのエネルギーを貰えるが、この作品だけは全エネルギーを吸い取られる。この作品のエンディングに救いは皆無で最悪だ。観なければ良かったと後悔する人もいるかもしれない。しかし、主人公セルマの幸せを、この世の誰が否定できるだろうか。

【アバター】

人間は凄いな。製作できる領域が遂にここまで進化したのか。映像はもちろん申し分ないが、ストーリーも凄く良い。この作品の内容は、これまで人間の歴史の中で同じようなことが繰り広げられている。人類は宇宙にまで活動範囲を広げ、とある惑星に興味を持ち、その惑星には原住民がいて、人類とその惑星の原住民達が戦う。植民地問題を連想させるのだ。実はこの作品には腑に落ちない部分があるのだが、そのあたりはおそらく続編で明らかにしてくれるだろう。

【ロード・オブ・ザ・リング】

世界三大ファンタジーの一つと称される『指輪物語』。それが映画化されるとのことで僕としても気合を入れて、そこまで深く理解はできてないものの原作を読んで鑑賞。最初に言っておくと、この作品は完全版というものがあって、僕としては完全版の方がより良くできてると思ってるのですが、それでも原作本に勝るとも劣らない仕上がりやったと思う。むしろ、当たり前やけど本よりテンポがいいのでグイグイ引き込まれた。余裕があれば完全版も観てみてはいかがでしょうか。

【グラン・トリノ】

俳優クリント・イーストウッドとして最後の作品であり、監督としても集大成を思わせる作品。男塾とも言うべきか?とにかく男気溢れる一本であることは間違いない。それと同時に、この作品からはアメリカにおけるマイノリティ問題をはじめ、不良少年の問題を単に表面上で表現するのではなく、背景から見つめ直すことができる。最後の両手を広げて豪快にぶっ倒れるシーンはキリストさながらで、役者イーストウッドは、監督イーストウッドによって花道を与えられたのであった。

【チェンジリング】

この作品はアンジーの気持ちと鑑賞者の気持ちがシンクロしているかの様な錯覚に陥られる力を持っているようだ。アメリカ映画の歴史は少し特殊だと捉えていて、アメリカにおける映画は、アメリカ社会と闘ってきた傾向にある。この作品もまさにそうだが、本作はもっと深い部分にまで掘り下げていると言える。犯人だとか警察だとか、そういった対象ではなく、家庭の中、そして日々の過ごし方、そんな些細なことから大きな問題に発展していくことを伝えているのだ。

【フラガール】

リトルダンサーでもそうだったが、僕は炭鉱の話に弱いみたいだ。2006年の日本映画は、本当に名作が多かったのだが、このフラガールは群を抜いて傑作だ。全ての登場人物がそれぞれの事情を持っていて、またそれぞれの立場で喜怒哀楽が飛び交う。自分のため、家族のため、町を守るため、愛するが故に人々はぶつかり合う。変わりゆく時代、変わりゆく環境の中で、どう時代を生きていくか?また、どう環境に変化し、適応していくか?これは決して人ごとではないはずだ。

【千と千尋の神隠し】

千尋が親元を離れ、一生懸命働いて成長し、次第に大人の階段を少しだけ登る姿を僕たちに見せてくれる。そして何と言ってもカオナシが良かった。カオナシって現代にいっぱいいるよな。自分の居場所や存在理由を見出せず、金や物、あるいは権力や暴力でしか自分を主張できない内面的にも外見的にも表情のない奴。で、そんなカオナシがさ、最後自分の居場所を貰うのよ。そん時に凄い良い表情すんねんな。そんなカオナシが凄い微笑ましかった。この作品は芸術作品と言えるでしょう。

【クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲】

これはアニメというジャンルを超え、日本映画最高傑作の一本だと断言できる。この作品を映画館で見たのは15歳。ただただ涙しました。この作品は万博世代でなくともノスタルジー全開でしょう。事実、60年から70年世代でない僕でさえ、なぜか懐かしい気持ちになれる。何と言ってもひろしの回想シーンだ。アニメ史に残る名シーンで、ここで涙腺が崩壊してしまう。あの懐かしさは何だろう?人間に懐かしさを感じるツボがあれば、この作品は直撃でしょう。

【キサラギ】

映画館で久しぶりに大爆笑してしまった。しかも皆も笑ってて、会場の一体感が心地よかった。ストーリーは、1年前に自殺したアイドルを追悼するため、ファンサイトを通じて知り合った5人の男が集うというもので、あらすじからは想像もつかないほど話がありえない方向に進んでいく。もう本当にバカバカしい笑。内容には直接的には関係ないので書くけれど、ラストにアイドルの顔が出る。賛否両論があるとは思うが、僕はやっぱり顔は出ない方がよかったかなあ。

【運命じゃない人】

日本映画の脚本においては殿堂入り級の作品。もちろん脚本だけでなく作品として非の打ち所がないくらい最初から最後まで楽しく鑑賞できた。時間軸を工夫して作られた作品は『パルプ・フィクション』が世に出てからは腐るほど登場したが、その手に関してはこの作品も負けていないと思う。それくらい傑作である。近年、日本の映画は商業的な映画に埋もれてしまうパターンがよくある。それはそれで別に良いが、こういう作品がちゃんと浮かばれる世の中になってほしい。

【クラッシュ】

アメリカで現在も根強く残る人種差別の問題を軸に、様々な人間の人生が絡み合う。要は人間と人間との人生がクラッシュし、そのクラッシュは玉突き事故のように因果していく。群像劇というのかな?とにかくテーマは重いが、脚本が素晴らしく、話の進むスピード感やリズム感も巧妙で、アカデミー賞も納得の完成度だと思います。この作品を観て、人種差別の問題があれど、救いと希望を感じた。個人的には透明マントの話が好きで、このエピソードは皆さんにも観てほしい。

【殺人の追憶】

冒頭で、犯人は未だに捕まっていないことを明かしている。そう、この作品は未解決事件を映画にしたノンフィクションだ。普通、こういう未解決に終わる作品というのは何だか中途半端でモヤモヤが残ることが多いのだが、この作品はそんな気持ちは一切起こらないくらいの完成度を誇っていると思う。サスペンスとしてはもちろんのこと、ある種サイコサスペンスとも言える。未解決事件故に犯人が全く分からなく、その異常性だけが伝わり、我々はただ圧倒されるしかない。

【ヱヴァンゲリヲン:破】

前作の序では、原作をそのままリメイクしたような内容だったが、今作は最新作と言える。エヴァンゲリオンを見たのはシンジと同じ年齢くらいやったけど、序も破も見て僕は大人になったんやな〜と思った。あの懐かしいキャラクターたちが登場するたびに、いい歳して目頭が熱くなり、戦闘シーンでは全身に力を入れながら食い入るように見守っていた。まあ正直言いますが、私、この作品を見て感動して涙が出ましたわ。この作品は是非とも序を観てから観てください。

【第9地区】

ある日、南アフリカに宇宙船が飛来し、エビのエイリアンがスラム街へ住みつく。もうこのあらすじだけで興味津々。で、内容もしっかり面白かった。で、この作品は結構社会派な一面もあるんです。最初の方はエイリアンに嫌悪感を抱いていたのですが、後半になるにつれて人間に嫌悪感を抱き始めてしまう。むしろグロテスクだったエイリアンに対して親近感を抱いてしまうほどだ。ジャンルをSF社会派アクションコメディとでも名付けようか。コケてもいいから続編を見てみたい。

【50回目のファースト・キス】

モテ男のヘンリーが眠ると記憶が消えてしまう病を持った女性に恋をするラブコメ映画。僕はラブコメに対して腑に落ちないことが多いのだが、この作品はめちゃめちゃ面白かった。設定はめちゃくちゃやけどかなり笑わせてもらったし、結構感動できた。全然飽きずに最後まで観れた。何より過程とラストが良かった。人が一人の人間に対してできる範囲のことだけをして、言うなれば神様以上に一人の人間を幸せにする。とにかくこの作品はハッピーな気分にさせてくれた。

【きっと、うまくいく】

ドラマ、コメディ、ミステリー、そしてサスペンスの要素もあるインド映画。日本でいうズッコケ3人組のような作品です。約3時間もの大長編ですが、全然退屈はしなかった。また、インド社会に対しての批判とも取れる一面もあって、この作品は、今後のインド映画をワンランクアップさせるに違いない。それにしてもこの作品、学ぶことの本質や人間の生き方、そして大切なことは何かということを見つめ直せることが多かった。インド映画が新たな歴史を開く。

【それでもボクはやっていない】

映画とは本来、伝えたいことがあるから映画が存在するのだろう。この作品が本当に優秀な点は、痴漢はあったのかなかったのかとか、有罪なのか無罪なのかとか、そんな話ではないと思う。もっと深く、凄く根本的な話で、日本という国の民主主義に対して問を投げかけているのだと思った。残念なことにこの国では、被害者は痴漢があったとこを証明する必要がない。どちらかと言えば、加害者とされる側が無実を証明しなければならない。まったく日本の裁判制度は本末転倒やで。

【サマータイムマシン・ブルース】

久しぶりに大笑いした日本のコメディ映画。大学のSF研究会がタイムマシンを発明してしまい、そのタイムマシンでまずやることがクーラーのリモコンが壊れる前日に行って手に入れるという凄くスケールが小さい話。しかし神脚本、そして単純なようで複雑。伏線も張り巡らしながらも、ちゃんと最後は繋がっていく様が痛快でたまらない。何よりおバカが行き過ぎてて愛おしく思えてくる。このタイムマシンの無駄使いとも言える痛快コメディをご覧あれ!

【チェイサー】

実話モノです。これが実話ということ自体がショックであるが、ハ・ジョンウが演じる殺人鬼ヨンミンはほんまにリアリティがあった。感情がどこか欠落しているところや、話し方、行動までが異常漂い、もうほんまにこういう人なんちゃうかと思うほどで、ホラー映画なんかよりよっぽど怖い。映像も不気味さが漂っていて、湿っぽい雰囲気があり、観る者をも現場にいるかのように思わせる。痛々しく後味も最悪最低焼けど、不思議なくらい引き込まれる問題作であることは間違いない。

【マルホランド・ドライブ】

この作品、なんでこんなに魅力があるのだろうか。不可解でありながらもプロットはしっかりしていて、理解しようとすればするほどこの作品が傑作であることを痛感する。そもそもこの作品に明解な答えや辻褄を求めること自体が野暮なのだろう。難しいから何度も観るし、観るたびに少しずつ理解できるからまた観てしまう。こんな感じをずっと続けているが、未だに僕の中で完結しない。この鑑賞者を突き放しつつも、決して置いてけぼりにしない匙加減がお見事です。

【鬼が来た!】

この作品、凄く良いですよ。『日本人はこんなに悪いことをした』とか『日本人はもっと歴史を学びなさい』とか、そんな低レベルな訴えを投げかける単純な作品ではなく、そしてただの反日映画でもない。人間には、やはり成り行きというものがあり、そして時には収拾がつかなくなることだってある。人類が幾度となく繰り返してきた悲劇の歴史の数々も、中には成り行きのものがあっただろう。そして、その成り行きが加速してしまえばもう止まらない。やるせない作品だ。

【JSA】

国、そして民族が分断され、家族をも分散させた現在も続く朝鮮半島の悲劇、南北分断。北と南の禁じられた友情を描いたこの作品は、ある意味でメルヘンとも言える南北統一への儚くも希望に満ちた作品なのかもしれない。国家という垣根を越え、個人と個人とに友情が芽生えていく。実のところ、この作品は単に朝鮮戦争や南北分断の悲劇を描いただけではないと思った。むしろ『もう一度始めようじゃないか』というメッセージが込められているのではないかと感じたし、そう願っている。

【シッコ】

日本の医療保険が世界標準だと思っている人がいれば、これを観ればその考えは崩れ去るだろう。そしてアメリカが先進国だと思っている人、これを観ればそうとも言えないと思うかもしれない。それをふまえて、日本に生まれてよかったと思った人、それは大間違いかもしれない。これからの日本も、少しずつではあるがアメリカのように本当に困っている人が救われない方向に進みつつあるのだ。これからの日本はどんどん住みづらい国になっていくかもしれない。

【ALWAYS 続・三丁目の夕日】

前作が良かったので、その続編ともなると結構心配だったのですが、そんなハードルは楽々と超えていきました。前作をしっかりと引き継ぎ、出会い・別れ・再会など、そういった人間味溢れる各々の人生が交差しつつも、どこかで見えない縁で紡がれている。そして、この作品は相変わらずノスタルジーに浸れる。設定と今の時代は全く別の時代を生きているのに、今もどこかで登場人物たちが暮らしているのかもしれないと思えるほど、他人とは思えない感情がこみ上げるのです。

【アヒルと鴨のコインロッカー】

この作品の良さを言葉で伝えるのは不可能に近いものがあるのだが、とりあえず一言で言うならば、凄く悲しく、そして凄く優しさに溢れた作品やなってこと。表現が難しいけど『人を傷つけることをしてはいけない』というのは、人を傷つけなくても分かるはずやのに、ある意味、悪意の有無にかかわらず、本当に人を傷つけたことがないと本当の意味で分からないんだと思う。そして、そういう経験がないと本当の意味で優しくなれない部分というのが存在するんだと思う。

【ミュンヘン】

この映画こそ、正義とは何かということを深く考えさせられる一本だと思った。当事者はお互いがあいつらが悪だとか、この映画の鑑賞者はこっちが正義だとかあっちが悪だとか、もしかしたら両方とも悪いだとか思うかもしれない。でも、そんな考え自体が論外であり、平和なんていつまで経っても訪れないのだ。歩み寄るとは、自分の悪い部分を隠し、相手の悪い部分を見つけ叩きのめすことではないだろう。お互いの是に目を向け、お互いの非の妥協点を協議することに光があるんや。

【シルミド/SILMIDO】

実話。もし鑑賞者が彼らに対して『死刑囚は死んでもいい』と言える人は、結局のところ日本国では、近くて遠い国である韓国における社会的、または経済的弱者の現実は想像できないレベルのことであるから言えるのかもしれない。しかし、彼らが根っからのサイコな人間ではなく、上手く生きることができなかった不器用な人間と少しでも感じることができたならば、鑑賞者及び、国民が憎むべき対象は、死刑囚ではなく社会の矛盾と権力になるだろう。

【ヒトラーの贋札】

ホロコーストです。贋札を作らなければ殺されてしまう恐怖と、贋札を作ってしまうと敵であるナチスが優位になってしまうというジレンマで、もし鑑賞者が彼らと同じ状況下にあったのならば、どちらを選択するだろうか?こんなどっちを選択しても報われないような状況こそが、戦争の本当の恐ろしさではないでしょうか。実体のない戦争と言う悪魔の前では、個人の主義主張なんか無効化してしまう。『今日のガス室より明日の銃弾』という言葉が忘れられない。

【ALWAYS 三丁目の夕日】

テレビで予告編を観た瞬間、この作品は絶対に映画館で観なくてはと思って観ました。僕はこの時代に生まれた人間ではなく、でも何だか懐かしい気分に浸れる。ノスタルジーってやつですね。CGを駆使して作られた当時の雰囲気の中で、キャストたちが当時の日本を生きているようだ。クレヨンしんちゃんのオトナ帝国でもそうだったが、決して今も悪くはないが、日本人が日本人であった時代と言うか、人と人が本当の意味で繋がっていた時代と言うか、そんなことを思いながら涙していた。

【戦場のピアニスト】

最初に言っておくと、面白い映画ではないです。ただ、かなり良かったんです。この作品はホロコーストを題材にした作品で、必然的に非人道的な描写等は避けられない。それだけを描けば、とても見れたものじゃない作品に仕上がってしまう。しかし、ピアニストという肩書きを持った一人の男が偶然にも生き抜くことができた事実が入ると、一筋の希望が生まれ、我々に過去の教訓と、これからの未来を考える重要なヒントを与えてくれる。魂のこもった名作です。

【ビューティフル・マインド】

変人ながらも独創性に恵まれた数学者ジョン・ナッシュの半生に基づく実話物。サスペンスに満ちた前半と、ヒューマンドラマを感じさせる後半。言うとネタバレになるので肝心な病気は伏せますが、こんな病気があるなんて知らなかった。そして、夫婦二人三脚で病気に立ち向かう姿にも心を打たれました。人の幸せは才能の量に比例せず、仮にその方程式を解いたとしても人生の答えは求められないだろう。しかし、それでも幸せを求めて答えを導いたナッシュは真の数学者なのかもしれない。

【ライフ・オブ・デビッド・ゲイル】

非常に上品質の社会派サスペンスを堪能させてもらった。こういう社会に向けて一石を投じる作品は、無責任に謎や、後は視聴者にお任せ的な感じで終わらせるパターンが多いのだが、この作品は極端ながらも、観賞後には十分納得できるように仕上がっている。そういう意味では、三歩歩いたら内容を忘れてしまうような心に何も残らない作品が横行しているこのご時世、こういう作品こそ高く評価したい。人権啓発に取り組む一方で、死刑制度を持つ日本国民としては見てほしい一本だ。

【私の中のあなた】

姉の命を助けるために、親の都合で産まれてきた妹。そんな妹は、母親の愛に飢え、姉も姉で辛い想いをしている。この作品を観れば分かるのだが、母も父も、娘を愛していることには違いないだろう。しかし、愛し方の形が大きく違う。母は娘の気持ちに鈍感なのだ。見る人が見れば本当に痛々しい母親だろう。でも、こんな母の愛し方は間違っているとは自信を持って言えない。希望と失望は表裏一体だからだ。受け入れることと諦めることは全く別ものなのだから。

【歩いても 歩いても】

人間というものはやはり単純ではなく、簡単に人と分かり合うことはできない。それが時に、身近な存在であるほど心のどこかでは距離をとる態度をとってしまったり、相手のことを想うが故に言うべきことも言わなかったりする。この作品は家族内のそれぞれの距離感をうまく表現しており、距離をとりながら人生を学んでいく。生きていれば、親の老いに気づく時がくるだろう。そして、自分の老いに気づく時も必ずくる。「いつもちょっとだけ間に合わない」は深い台詞だ。

【メメント】

妻を目の前で殺され、そのショックで10分しか記憶が持たなくなった主人公レナード。妻を殺した犯人を捜すため、事柄をメモや体にタトゥーを彫って記録してく。人間の記憶とは、人生そのものである。人間にとって記憶をなくすということは、死ぬことに近い恐怖なのかもしれない。しかし、レナードはそんな記憶をなくす恐怖さえも記憶できないのだ。ストーリーが進むにつれ謎が解けるのだが、解けたことによってまた新たに謎が生まれる。ラストは鳥肌立ちました。

【オールド・ボーイ】

残虐なシーンが多いけど、良い映画やと思う。とにかく身も心も疲弊してしまうほどの2時間。愛と狂気に満ちた復讐劇で、平凡に生きてきた人間ならこんなストーリーは思いつかないだろう。冒頭、15年の監禁ということでまず惹き付けられる。これが話が進むにつれて一つ一つが明らかになっていくのだが、正直言うと復讐の理由が僕には幼稚に見える。しかし、この作品はそれを納得させられるくらいの力がある。後味が悪く、二度と観たくないと思える作品だが、傑作です。

【インファナル・アフェア】

男はもちろん、女も惚れる映画ではないだろうか。脚本完璧、映像も音楽も完璧、そしてキャストも完璧。緊張感が最後まで持続するので終わった後の疲労感が半端ない。この作品は2重の楽しみ方がある。主人公が二人なので、どちらかの主人公側で見ると全然話の面白さが違うのだ。手に汗握る展開で釘付けにさせるその要因は、やはりこのアンディ・ラウとトニー・レオンの見事なまでの化学反応なのだろう。少しの歯車の違いが、段々と大きな歯車の違いに変わり、やがて壊れる。

【es[エス]】

1971年、米国スタンフォード大学心理学部で実際に行われた心理実験「監獄実験」の映画化。新聞広告で集められた被験者を無作為に看守と囚人に振り分け、模擬刑務所で二週間の生活が始まる。その関連付けによって生まれる人間の醜い姿が剥き出しにされている。こういう方がホラーより全然怖い。特に、看守たちが暴走するあたりからはずっと眉間にシワが寄るほど緊張した。極限状態で理性を失うと人間という生き物は本当に怖い。本当に観てよかったけど、同時に二度と観たくない。

【インビクタス/負けざる者たち】

アパルトヘイトやラグビーのことすら知らない人でも楽しめる作品に仕上がっていると思います。冒頭、ネルソン・マンデラが釈放され、そして大統領になるところから物語は始まる。そして、白人と黒人の子供たちが道を挟んで車を見つめるシーンがあるのだが、そんなに離れていない道幅なのに、白人と黒人の間には何とも言えないとてつもない距離を感じた。この作品は、人種問題の難しさと、スポーツの素晴らしさ、そして複雑に絡み合う人間の心通う姿を表現している。

 【ニューオーリンズ・トライアル】

アメリカ社会を象徴すると言える銃と裁判員制度。この2つの問題点を描きながらも、内容はしっかりしていて最後まで飽きることなく鑑賞できた。本来の映画の良さと言いますか、そういった要素が詰まっている作品だとも言える。そもそも僕は、この作品を見るまで裁判員コンサルタントというものも知らなかったのだが、それでも見ていてハラハラするし、ストーリーが程よい複雑さで、いったい自分がどこから惑わされ、どこで騙されていたのかも分からなかった。秀作だ。

【I am Sam】

きっとこの世の中、誰もが間違ってないんだろうと思う。だから難しくて時にぶつかる。『愛』という言葉がある。このご時世、自分の子を捨てたり、自分の親を殺したり、そんな暗いニュースがはびこる中、きっと当事者たちにはそれ相応の理由があるのかもしれない。そんな人たちに『愛』なんて言葉は綺麗事に聞こえるかもしれないが、僕はこの作品を見て、まずは人を思いやる心というものが大事なのかなと思った。知的障害があろうとも、本能のままに愛を注ぐサムに涙した。

【ラブストーリー】

王道のラブストーリー。少女漫画をそのまま目の前の現実で見ているかの様な、ありきたりと言えばありきたりではあるが純粋度100%で、そして何よりも挿入された音楽の全てが良かった。本作品は、2人の女性の恋物語だった。ネタバレになってしまうけど、母の恋は実らなかったが、娘の恋は実った。でも、これは決して別々のラブストーリーではない。母が愛した人の分身が、時を超えて娘と結ばれるのだ。そういう意味では、母の恋が違う形となって実ったのかもしれない。キュン。

【いま、会いにゆきます】

ドラマの中にファンタジーあり、ロマンスありで、僕個人としても、何だか自分の忘れかけていた気持ちでさえも再確認することが出来たような作品です。また、純粋に人を愛することの素晴らしさも伝えてくれる作品であると思います。夫婦愛、家族愛、親子愛、色んな愛があるけれど、それらの愛が集約された一本。出来ることならば、この作品は恋人と一回、夫婦になって一回、子供が出来て子供が少し大きくなったら一回は一緒に観てみるといいんじゃないでしょうか。

【下妻物語】

はっきり言ってこの作品、外国人が観てもさっぱり分からないでしょう。ジャスコとかベルサーチとか尾崎豊とか、もしかしたら日本人でさえも観る人によってはちんぷんかんぷんな部分があるかもしれないが、逆にそれがこの最高な作品を生み出せたのかもしれない。自分らしさとはなんだろうか。自分らしさが頑固な考えになると友達がいなくなってしまいそうだが、この作品は自分らしさを失わずに共に協力し合える仲というのが僕にとっては新しい発想であった。

【ファインディング・ニモ】

冒頭、唯一無事だった卵に向かってマーリンが言う言葉。ここから僕は引き込まれた。そしてニモ。好奇心旺盛なニモは、生まれつき胸ビレにハンデキャップがあるが、それなのに強く、そして頑張ろうとする姿は鑑賞者の心にも何か感じるものがあったのではないだろうか。全然関係ないけど、水族館で「お母さん見て!ニモがいる!!」ってはしゃいでた子供を見て『あ〜このカクレクマノミも親と離ればなれになってるんかもな』と、ふと思ってしまったのはここだけの話だ。

【おばあちゃんの家】

自分を無条件に愛してくれることがどんなに幸せなことか。それが幼いほど悲しいくらい理解することができない。おばあちゃんに対して沢山の悪戯をしてきたサンウが、幼いながら自分のできる限りの愛情でおばあちゃんに接していく心境の変化が描かれている。僕は、サンウがおばあちゃんに泣きながら文字を教えるシーンがたまらなく好きだ。ひたすら「会いたい」という言葉と「体が痛い」という言葉を教えるのだ。最後のサンウの言葉におばあちゃんも泣いちゃう。そして僕も泣く。

【Mr.インクレディブル】

引退せざる終えなくなった元スーパーヒーローが、それでも社会の目を盗みながらこそこそヒーローらしいことをしているという設定。ピクサー作品にしては少し大人向けな気がするが、練りに練られた脚本と、次々とテンポ良く展開するストーリー。そして一人一人のキャラクターの良さが光っている。また、家族愛はもちろん、ヒーローモノとしても、またスパイモノとしても楽しめる一面があるので、カメレオン的な要素としても評価できるだろう。

【世界最速のインディアン】

人間、一つの事に対して一生懸命になれることや、それこそ人生を賭けてやるようなことが見つかったとしても、全ての人がなかなか実行できるものではない。本作は、一つの夢に向かって突き進み、その夢を実現させた一人の元気爺さんの生き様が描かれている。この作品を観て、人生において学ぶべき点が沢山あった。老人になってから旅に出て、色んな人と出会い、人生の後輩からも学ぶ姿勢を持ちつつも、自分の夢を叶えるという強い意志が、周りの協力や応援も集められたのだろう。

【イントゥ・ザ・ワイルド】

観る人の今まで生きてきた人生と価値観で、この作品の評価は大きく変わるだろう。まあそれは全ての作品に言えることだが、クリスの行動を理解できない人、賛成できない人がいるかもしれない。現代社会に生きる私たちは、人の知らない部分があれば、見た部分を切り抜いて勝手に解釈し、判断してしまいがちである。ここがポイントで、情報化社会は人の中に無自覚を生む。いかなる時代であろうと、思考停止してはいけない。彼の言行は、現代人へのメッセージなのかもしれない。

【センターステージ】

バレエに関してあまり知識はないけれど、一人一人のエピソードが丁寧に描かれていて、バレエ以外のとこで悩んだりする姿も共感できた。人生、いくら努力しても超えられない絶対的な資質というものは確かにあるのかもしれない。しかし、現実を受け入れられる気持ちになるには、やはり自分の限界値に近づく努力を惜しまなかった人間にしかできないのも事実だ。この作品は、バレエ好きな人はもちろんのこと、バレエを知らない人にも是非観てもらいたい作品である。

【チアーズ!】

誰が観ても楽しめるであろう青春映画以上スポ根映画未満の娯楽映画。作品全体はアップテンポで次々とストーリー展開があるし、ティーンエイジャー全開で若さからくるフレッシュさとエネルギッシュさ。色気もあるしロマンスもあるしコメディもあるし、最後まで本当に楽しく観れた。個人的には歯磨きのシーンが好きだ。あのシーンは誰もが一度は経験するであろう『はにかむ』ということが表現されている。あれは演技ではなく本当にはにかんでそうや。青春ってふしだら。

【川の底からこんにちは】

この作品は本当にノーマークだった。一言で言うならダメ人間ばっかりが出てくるダメに溢れた作品である。もうね、前半なんてグダグダなんすよ。でもそれがいい意味でおかしくて笑える。で、途中から主人公は自らを『中の下』と言い始める。自分は平均以下の人間なんだと言い始めるのだ。でもこれが開き直ってるわけではなく、凄くポジティブなんですよ。『下の下』と決して言わないところにプライドを感じる。『所詮、たいした人間じゃないから頑張るしかない』は名台詞だ。

【マッハ!!!!!!!!】

小学生でも書けるような脚本でストーリーはとにかく分かりやすく、何よりアクションが凄い。人間はこんな動きができるのかと感心してしまうほどだ。ワイヤーが何だ!CGが何だ!そんなもんなくたって素晴らしいアクション映画は作れるんだ!ここまでくるとストーリーなんてどうでもいいのだ。しかし、あまりにもガチなので凄く痛そう。特に敵役の人たちは大丈夫だろうか。一人ぐらい役者生命が終わった人がいても不思議ではないだろう。まさに!8つの面白さです。

【東京ゴッドファーザーズ】

ほんとに失礼な表現かもしれないが、実写の映画よりも映画たらしめています。3人のホームレスがゴミ捨て場で赤ん坊を拾うところから物語は始まる。この3人のキャラクターが凄く魅力的で、物語が続くにつれて3人の存在が愛おしくなっていく。この作品を観て、居場所がないことがどれほど辛いことなのかが伝わってくる。捨て子の親を探す旅の途中で、ホームレスたちの描かれる人間模様は決して明るい話ではない。しかし、社会の底辺だろうが、3人は力強く生きている。

【モンスターズ・インク】

素敵な世界観を見せてもらった。いや、体験させてもらったと言った方が自然な表現かもしれない。ストーリーはもちろん、アイデアが特に良かった。この作品は童心に返って観るとより楽しめると思う。人間の悲鳴をエネルギーとし、それをモンスターたちが集めて競っているという設定がなかなかいい。しかも、モンスターが小さい人間の子供に怖がり、自分たちにとって害のある存在としてビクビクしているところはまるで人間っぽい一面もある。素直に楽しめる作品です。

【X-MEN2】

本シリーズに登場するミュータントという存在は、現代でも同じことが言えるが、差別・迫害をされてきた国・民族の象徴なのだと思う。現に、作品に出てくるマグニートーはナチスに迫害されたユダヤ人だ。しかし、このX-MENという作品は、どっちが正義でどっちが悪だとか、被害者だとか加害者だとか、単純には割り切ることができない問題を上手く表現していると思う。X-MENとマグニートーの対立は、ミュータントと人間の本質的なぶつかり合いから生まれてると言えるだろう。

【十五才 学校Ⅳ】

学校シリーズの中で一番好きなのがこのⅣです。学校を描かずして学校を描いたのが巧みです。この作品は、世間に流されず、時には立ち止まることの大切さを教えてくれる。色々な人たちに出逢って成長していく十五才の少年。色んなエピソードがあるのだが、僕は引きこもり少年とのエピソードが印象に残った。僕は、この世は世知辛い世の中だと思っていたが、何だが心に訴えるものがあった。現実的にはこの作品のようには中々いかないかもしれないが、心から素晴らしいと思った。

【たそがれ清兵衛】

少し感想とズレるかもしれないが、ラストサムライがアメリカ人向けに作られたサムライ映画ならば、この作品は世界の人向けに作られた侍映画だ。ラストサムライが侍の有り様を描いているならば、この作品は侍の本質的な部分を描いてるのだと思う。平侍である主人公の清兵衛。作品の中で彼の色々な心情が伝わって心を打つ。もちろんストーリーも良いのだが、川のせせらぎや小鳥のさえずりなど、その一つ一つにも注目すると味わい深い作品となるだろう。

【ノー・マンズ・ランド】

この作品は一応コメディのジャンルに入っている。最初は不思議だったが、観賞後にその理由が分かった気がした。笑える台詞もあり、二人の兵士の心が通う瞬間もある。ドンパチする戦争映画は数あれど、この作品はひと味違います。全くドンパチがないのです。この作品が特に優秀だと思うのは、完全に兵士の目線で描いているところだと思います。悲惨な映像や、イデオロギーの押し売りなんかなくたって、心に響く反戦映画を作れることを証明した。

【ブラッド・ダイヤモンド】

観る前は、ただのアクション映画と思っていたのだが、バリバリの社会派映画だった。こういう映画って内容がどうしても暗くて重くなってしまうけれど、この作品は娯楽映画として非常に観やすいし、かと言って悲劇の部分でも決して表現が疎かになっていない。そういう意味ではこの作品は大成功やと思う。ただ一つ疑問があって、最後に『シエラレオネは平和になった』的なこと書いてあって、おいおいそれはないやろと思ってしまった。その辺はアメリカ映画やなって思った。

【スナッチ】

まず一番は映像が凄い。映画って案外テンポが命やったりする。映像編集がとてもよく凝っていて視覚的には凄い見応えがあった。そして登場人物たちのキャラクターの良さとイカしてるセリフの数々。登場人物が多くて油断してたら誰が誰か混乱するかもしれへんけど、特にダレることなく最後まで良いテンポで楽しませてくれるので集中できた。しかしブラット・ピットはかっこいい。男であれば誰もがブラット・ピットに憧れるのではないだろうか。

【スパイダーマン2】

数あるアメコミモノの中でも、このスパイダーマン2は一味違います。これはスパイダーマンの青春映画と言ってもいい。それは、他のアメコミモノと違ってスパイダーマンは人間性が巧く描けているからだろう。ヒーロー映画ってのは敵を倒し、世界を救うってのがセオリーだが、この作品はヒーローの苦悩や葛藤というものを忠実に表現してくれている。また、恋愛あり、そして敵には敵の悲劇があり、色んな角度から人間ドラマを学ぶことが出来るのがこの作品だ。

【キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン】

途中で飽きさせることはなく、最初から最後まで楽しめた。しかもこれ実話なんですよね。刑事と詐欺師の壮大な鬼ごっこという感じで、まさに嘘のような本当の話。しかしまあ、スピルバーグ監督は『逃げる』ということを描くことにおいては特に天才やと思う。彼の手掛ける作品は逃げるシーンが多かったりするのだが、この作品は特にその良さが溢れている。この2000年代にアップしている作品の中では、一番誰が見ても純粋に楽しめる作品なんちゃうかなって思う。

【スクール・オブ・ロック】

なんだかタイトルだけで興味がわいてしまうが、面白かった。根っからのロッカーである主人公デューイが、名門の学校の臨時教師として生徒たちに色々教えるのだが、反社会的に見えるロックという音楽を通じて、生徒はもちろん、その他の教師や生徒の親の心をも動かすという予定調和で、これがお見事と言えるほどの完成度なのだ。中途半端は感動も何もないが、一途にバカと思えるほど一生懸命やってる人間ほどかっこいい人間はいない。ロック最高やな。

【リトル・ミス・サンシャイン】

この作品に出てくる家族は、全員がネガティブ(見方によってはポジティブなのかも?)で一見どうしようもないフリーキーなダメ人間。これが凄くリアルで、むしろ鑑賞者はこの家族の一人くらいは『こんな人いるな』と共感、あるいは感情移入できるのではないだろうか。そんな家族が、娘の晴れ舞台という共通の目的ができると、力を合わせて頑張る。この頑張りも、鑑賞者的にはおそらくズレているのだが、しかし何だか愛おしい。つまらないことで悩むのはやめようと思った。

【ぐるりのこと。】

未婚なので見当違いなことを言うかもしれないが、夫婦というものは、突き止めていくと不明確な状態なんやと思う。出会うこと、別れる、あるいは離れることは凄く微妙かつ絶妙なバランスで関係していて、特別な理由があって夫婦は結ばれているわけではないと思う。それらは特別ではなく、普遍であるからこそ結ばれたことが奇跡であり、特別な存在と成るのだと思う。人が傷つき、その傷が癒えるまでには時間がかかることだってある。スピードが全てじゃないんやってことを教えられた。

【ボーン・アルティメイタム】

1、2を観ている前提なのだが、ほとんどの方が、ボーンシリーズの中で一番やと認めるでしょう。回を重ねるごとに面白くなってるのが凄い。何度も観ているが、何度観ても飽きない。脚本に演出、そして監督が変わったからなのだろうが、特にカメラワークに見応えがあった。カット割り、そして音楽のセンス、カーチェイスも完璧で、三部作の最後を締め括るに相応しい作品だ。ロシア、モロッコ、アメリカを駆け巡り、緊張感と臨場感が融合した傑作をその目でご覧頂きたい。

【ゴーン・ベイビー・ゴーン】

べン・アフレック初監督作品。監督だけでなく、脚本家としても才能の高さを世に知らしめたと思う。この作品、日本では未公開で全くのノーマークでしたが、こういった隠れた名作に出会うことがあるからDVDレンタルも怠ってはいけない。よくある『正しいとは何か』的な要素のある作品なのだが、この作品は見方によってはハッピーエンドと捉える人もいれば、バッドエンドと考える人もいるだろう。サスペンスであり、ドラマであり、ミステリーであり、社会派映画でもある。

【ジョゼと虎と魚たち】

なんて言うんかなぁ。この作品を観た特に男は、きっと恒夫の気持ちが痛いほど分かるんちゃうかな。それは良い意味でも悪い意味でも両方なんやけど。男としての最初の優しさ。これは決して嘘の優しさじゃないんやけど、男ってのは次第に心境の変化があると、女性に対してだんだん身勝手になって、ズルくなって、最終的に逃げてしまう。でも、この作品の良いところは、お互いの弱さを見せながらも、2人は一回りも二回りも強くなり、成長でき、前向きになってるところかな。

【ラブ・アクチュアリー】

クリスマスの時期になると必ず見たくなる作品。この作品には、愛というものが人間にもたらす物事を集約している。愛は天国に連れて行ってくれる力があれば、地獄に落とす力だってある。登場人物がめちゃ多くて、たくさんのエピソードが入っているのだが、中でも僕が一番好きなのは、花嫁に恋をした男が紙芝居形式で花嫁に自分の想いを伝える話が凄い好きや。もちろん他のエピソードもどれもいいので、あなたの好きな愛の話を見つけてみてはいかがでしょうか。

【タイタンズを忘れない】

スポーツに性別や年齢、人種は関係あるのだろうか?この時代、スポーツは性別や年齢の壁を越えて行われていた。しかし、人種においてはどうだろうか?白人と黒人。この人種間に亀裂が生じてしまい、それはやがてスポーツにまでも影響してしまったのだ。現在では当たり前のように、スポーツに人種は関係ないと言える。人種間の問題をこのままにしてはいけないと言える。しかし、この時代は違ったのだ。そして、現在でも人種間の問題は残っている。それでいいと思いますか?

【オーロラの彼方へ】

30年ぶりにオーロラが見られた年に、刑事であるジョンが古い無線機を見つけ、応答した相手は事故死したはずの父フランクだったという少し変わった夢のあるSFサスペンス。この作品はアメリカらしいと言いますか、スケールの小さいバック・トゥ・ザ・フューチャーって感じで、とにかく王道の脚本です。おそらく誰が観ても楽しめると思います。タイムパラドックス的にはつじつまが合っていない部分があるように感じるのですが、そこを気にせず観れば最高の娯楽映画です。

【グラディエーター】

映像も音楽も凄いスケールだ。まさに圧巻!この作品を観て、カリスマとはこういうことだってことを教えられた気がする。この作品は、ラッセル・クロウでなければ本当の意味で完成していなかっただろう。彼以外にマキシマスを演じる俳優はいないはずだ。また、ホアキン・フェニックス演じるコンモドゥスも悪役らしいいい味を出している。マキシマスの漢を感じさせる侍さながらの生き様と、コンモドゥスの父に愛されなかったために歪んだ嫉妬の念がこの超大作を生んだのだ。

【ラスト サムライ】

書きたいことがありすぎて文字数的に無理なので一点。武士道精神の解釈や、この作品が正しい歴史や侍の姿を伝えようとしてるものであるならば文句なんていくらでも言える。これは事実を基にしたフィクションであり、逆に西洋の言い方をするならばfantasyなのだ。アメリカは侍を理解しようと歩み寄ったのだから、我々はfantasyを理解するために歩み寄ってもいいのではないか。世界が想う「SAMURAI」がやがて「サムライ」になり、いつか「侍」になる日を望む次第である。

【X-MEN】

アメコミの実写化ブームが進む中、このX-MENは元祖と言えるのではないでしょうか。そういう意味でも本作の評価が後のアメコミの実写化に大きな原動力となっただろう。元々アメコミは好きで、このX-MENは特に好きな作品。ついに実写化されました。シリーズ1作目ということもあるのか、顔見せ的な内容になってる感じはあるけど、それでもミュータント同士で対立していたり、また人間とミュータントの間にも隔てるものがある。2への期待のさせ方も良かった。大成功です。

【ミリオンダラー・ベイビー】

マギーはフランキーと「絶対に泣かない」と約束をした。そしてマギーは約束通り一度も泣かなかった。作品を観ると分かるが、泣きたい瞬間なんて沢山あっただろう。これは、イーストウッド監督も言う通り『父と娘のラブストーリー』なのだ。親父のようなフランキーと娘のようなマギーは、ボクシングを通じて愛し合っていたのかもしれない。だからこそ、どんなに辛くたって、どんなに苦しくたって、マギーは泣くよりもその先の喜びに向かって闘っていたのかもしれない。

【96時間】

この作品の主役って本来はセガール様が適任な気がするが、それはさておき、ご都合主義の連続技の様なアクション映画です。娘を誘拐されて親父が助けに行くだけのストーリー。ドラマ性がなければラブもロマンスも皆無。ここまで脚本になんの捻りもなく、すべて直球アクションで押し通す潔さは逆に清々しい。とにかく親父が強過ぎる。もう期待以上の強さ。もっとやれ!状態です笑。とにかくアクション映画が好きな人にはオススメです。観て損はしないと思います。

【愛してる、愛してない】

内容をあまり言いたくないので省略しますが、この映画ランキングでも紹介している「アメリ」。本作は裏アメリと言えるだろう。この作品だけで十分楽しめるが、個人的には「アメリ」を観てないと面白さは半減するかもしれない。とは言え完璧な脚本。ラブストーリーを好まない方は、一度観てほしいと思う。このオドレイ・トトゥという女優は本当に凄い女優である。前半と後半とでアンジェリクが全然違う。あの可憐な女性からの変貌ぶりはなかなか揺さぶられる。

【嫌われ松子の一生】

幸せになりたい不器用な女性、松子。彼女の人生は他者から見ても幸せだったとは言えないでしょうが、幸せな人生を送るために僕も努力しなければいけないなと思いました。松子はお金持ちになりたいとか、いい家に住みたいとか、そういった経済的な幸せを求めていたのではなく、純粋に「ただいま」「おかえり」というような日々が欲しかったのだと思います。松子の弱さと不器用さは、強くあろうとし、器用であろうとした。そんな彼女を自業自得なんて、いったい誰が言えようか。

【ボウリング・フォー・コロンバイン】

ドキュメンタリー映画というのは敬遠されがちなジャンルなのかもしれないが、本作はその辺のコメディよりも笑え、その辺の感動系より感動できる。銃犯罪。そのアメリカ人が宿命的に背負うであろう疑問を、報道ではなく映画で世に投げかけたのだ。とは言え、こういう作品は作り手の主観が入り、ムーアが撮った作品なのだからムーアの思う『正しさ』なのだが、決して押し付けがましくなく、そして偏った伝え方だとは思わなかった。一度は見てみる価値のある作品です。

【ロッキー・ザ・ファイナル】

ロッキーシリーズの最終作。もう最高ですよ。これは漢の映画である。これで泣かない奴は漢じゃねえぜ!笑。ロッキーの1と2が大好きな人には特に熱くなれる作品やと思う。まあ前作の5なんて本人が認めるほど酷いもんであったが、この作品は大成功である。いい歳したおっさんが夢を諦めきれずにボクシングの道へ戻ろうとする。最初は周囲の人や息子にまで鼻で笑われたり呆れられたりするが、次第に皆がロッキーを応援する。『人生より重いパンチはない』は名言だ。

【アフタースクール】

『運命じゃない人』の大成功から3年。内田けんじ監督がまたやってくれました。「学校がつまらないのは自分のせいだ」しびれる台詞やねえ。複雑な脚本やけど、映像で分かりやすく見せていて、そこが巧ですね。大どんでん返しと分かってても楽しめました。一つタイトルで思ったのが、この作品はアフタースクール=放課後ですが、中身に学校があまり出てこないが、学校と社会って実は表裏一体で、学校は小さな学校であり、社会は大きな学校でもあるんやな。

【ブルース・オールマイティ】

ジム・キャリーの演技力には毎回驚かされる。前半はコメディ全開ですが、後半は意外な展開で僕は思わず泣いてしまいました。この作品は主人公ブルースが、神様から一週間だけ神様の力を託される設定。しかしこの神の力というのは、全世界を託されたわけではなく、自分の住むバッファローの街の範囲を託されただけであって、神様の大変さを知ることとなる。最後のブルースが神様に祈りを打ち明けるシーンの下りは僕の中で感動的なシーンだった。是非ご覧頂きたい。

【フォーチュン・クッキー】

よく雷が落ちて男女の中身が入れ替わったり、こういった手法の作品は多数存在するが、この作品においては特に大成功。親子で観ても面白いだろう。たくさん笑えて感動できた。真面目な話、子供が親の気持ちを理解することは難しくて、話し合ったりしない限り絶対に伝わらないと思う。しかし、この話し合うということそのものが難しいのだ。それを中身が入れ替わることによって気持ちがだんだんと理解でき、次第に距離が縮まっていく。凄く優秀な作品だと思います。

【レスラー】

正直言ってダサい中年レスラーだ。でも、不器用で馬鹿で見てて痛々しいこの男の気持ちが何故か手に取るように分かってしまうのだ。人間として、男として、本当にかっこ悪い姿や思い出したくもない様な失敗を見せられている気分になって、観ているこっちが恥ずかしくなってしまう。でも、話が進んでいくにつれて、応援している自分に気づく。いつの間に感情移入してしまっていたのだろう。男の意地というやつは、時に寂しく、時に美しい。素敵な作品に出会えて良かった。

【南極料理人】

派手さなんて皆無の作品ですが、心がほっこりする。南極というある意味で閉鎖された空間で、楽しみといえばやはり食べることになるのだろう。少しネタバレになってしまうが、帰国してハンバーガーを食べるシーンがある。食べ物には、実際には美味しいものとそうでないものがあるかもしれないが、この作品は、例え豪華な料理じゃなくても、楽しく皆んなで食べるご飯が一番美味しいということがよく伝わった。登場人物は一言も美味しいと言わないが、表情が美味しさを物語っている。

【ふたりにクギづけ】

いや〜世間はもっとこの作品に注目するべきやと思う。これは障害という世間的に見れば重いテーマをコメディにしてしまった斬新な作品だ。なんとなくやけど、日本でこんな映画を作ったら彼方此方から避難の嵐かもしれない。笑いあり感動ありで、重いテーマを題材にしていることすら忘れてしまったほどや。まさか涙が出るとは僕自身思っていなかったぜ。とにかく「普通」がアベレージなんてものは健常者の偏った考えなのかもしれない。一度は見てみて損はないと思う作品だ。

【ミスト】

基本的にホラー映画というジャンルは笑けてしまって、この手の作品は僕には合わず、いつも冷めた目で観てしまうのだが、この作品は怖いとかではないけれど、なかなか面白かったし、オチも深かった。極限状態に追い込まれた人間の深層心理や集団心理、また宗教の危険性などを訴えんばかりの描写。一見B級ホラーなんだが奥が深い。人間の狂気っぷりがうまく表現されていて、僕の心にグサッと刺さりました。外にいる怪物も怖いが、中にいる人間も十分怖いと思った。

【ビッグ・フィッシュ】

この作品は、現実味のある究極のファンタジー映画であることは間違いない。一言で言ってしまえば親父の壮大なホラ話なのだが、この作品のいいところは、親父だけの視点から見る一元的な見せ方ではなく、息子の視点からも見せる二元的な見せ方が魅力なんやと思う。少し真面目な話になるが、人間にとって人生を幸せに生きるか不幸に生きるかは、やはり気持ち次第やと思う。どんな現状だって、見方を変えれば良くも悪くもなるはずや。この作品で心が動いた。

【アバウト・ア・ボーイ】

う〜ん良たった。特にコンサートのシーンが良かった。馬鹿にされることが分かっていて、母のために大勢の前で母の好きな時代遅れの曲を歌を胸を張って歌う。マーカスも偉いがウィルも偉い。この映画を鑑賞する人で、ニート・無職・フリーター、または仕事はあっても誇りを持てなかったりする人にとっては、ウィルに共感できる部分があるかもしれない。でもウィルは、無職ながらちゃんと開き直ってるところがあって、図太く前向きに生きている。清々しい気分になれた。

【アメリ】

簡単に言えばイタイ女性の映画。こんな女性が目の前に現れ、しかも好意を持たれてしまったら相当ウザいだろう。しかし、そんなアメリをオドレイ・トトゥが演じたからなのか、こんなイタイ女性が魅力的に見える。好きな人のためを思ってしてあげる全てが、結果ズレまくってる悪戯になってる。そんな素直になれない性格を見届けていると心がくすぐったい。それがおフランスのシャレオツな街並みを舞台に繰り広げられるのだ。特に妄想癖がある人はどストライクな作品かも。

【ハッシュ!】

ゲイの監督が撮ったゲイの映画。だから良かったのかもしれないが、なんだか話の流れが自然だった。普通、こういう作品は大袈裟にというか、ある意味で飛び道具的に表現する感じがするが、むしろゲイというものは控えめで、それを前提として一夫一婦の社会で生きていくために最低限闘っていかなければいけない現実を表現している。ゲイとか関係なく、誰だって孤独で辛い現実を生きている部分はあるだろう。人間は傷つけ合いながらも寄り添い、前向きに生きなければならない。

【シムソンズ】

カーリングを頑張る娘たちの話。話の先がびっくりするくらい次々と的中してしまうほど予定調和感満載の作品なのだが、それでも十分面白かったです。4人の女優がハツラツとしてて観てて元気が貰えるし、人間ドラマに注目しても、彼女たちは真剣に悩み、そして一生懸命に克服していく。カーリング部分も丁寧に描かれていて、彼女たちが地道に努力を積み重ね、成長していく姿が伺える。スポ根とまではいかないが、スポーツを通じた青春映画としては大成功やと言える。

【キューティ・ブロンド】

元気がない時に観ると元気が出てくるガールズムービー。主人公のエルはいわゆるお利口さんではないのだが、決めたことは最後まで諦めずに頑張り、また勉強や仕事、さらに自分磨きに至るまで手を抜くことはない努力家というところに好感が持てるのだろう。また、作品の中で見られるオシャレも魅力の一つだろう。人間、夢や目標、そして現実だって変わっていくものです。しかし、自分の人生を変えることや選択する瞬間も全て自分次第。そんなことを教えられる作品です。

【猟奇的な彼女】

決して完璧な作品とは言えない。しかし、この作品は何度も見てしまう中毒性がある。まんまと術にハマってしまった感じや。恋愛モノの映画は「好きやで」「愛してるで」という言葉が当たり前のように出てくるが、この作品はそういう言葉は一切出てこない。そんな台詞なんかなくたって、愛を表現することはできるし、この作品はそれを成し遂げたのだ。木の下でおじさんが「運命というのは、努力した人に偶然という橋を架けてくれる」という台詞がある。なるほどな〜って思った。

【天使のくれた時間】

13年前、成功を夢見て恋人ケイトと別れ、研修のためロンドンへ旅立ったジャックは、13年後の現在、大手金融会社の社長として独身生活を満喫していた。そんなクリスマスイブ、ケイトからの電話があったが、ジャックはかけ直さなかった。次の日、目覚めるとケイトと子供2人に恵まれた家庭になっていたというあらすじ。仕事の成功や安定した生活か、それとも愛する人との一時や中の下の生活か。最後のニコラス・ケイジは、完全にジャック・キャンベルになっていたな。

【プレッジ】

大自然に囲まれたとある町で描かれるスケールと、刑事という仕事にプライドを持って今までやってきた孤独な男の物語。この作品を作る上で最も大事なところは、主観と客観の使い分けであると僕は思う。観客にしか明かされない真実と、映画の中の登場人物にしか分からない現実の落差があまりにも皮肉で、あまりにも冷酷だ。人の正常と狂気を他人が見極め、決めつけることなんてできるのだろうか。他人の憶測によって愛情が狂気に思われるのはあまりにも残念ではないか。

【過去のない男】

凄く平凡なストーリーです。派手な展開はなく、特に大きな事件が起こるわけでもなく、ただひたすら日常が過ぎていくだけです。でもそれが良いのです。この等身大の日常で過ぎ行く時間と、暖かく包み込む雰囲気が妙にマッチしていて、話が進むにつれて味がどんどん出てくる。とにかく優しい気分になれる作品であることは確かだ。人間は、若くなくたって、お金がなくたって、それこそ誰の役にも立てなくたって、何かのために生きているんや。人は人に生かされてるんや。

【トム・ヤム・クン!】

もうめちゃくちゃですよ。アクション映画って基本的に家族のためとか恋人のためとか、まあそういうのが一般的なんですが、この作品なんて自分の愛する象のためってのが良い。脚本なんて小学生でも書けるような内容ですが、そんなことよりもこの作品は内容を凌駕するほどのトニー・ジャーのアクションだ。とにかく身体能力が半端じゃない。特に螺旋階段での約4分間のワンカットアクションと49人連続間接ポキポキが凄い。これを観るだけで価値があります。